『こんな事情があるんだよシリーズ③』 〜リノベーションの現場から〜
どんなお仕事にも、「一般の人にはなかなか想像しにくい現場の苦労」というものがあると思います。
当然のことながら、職人の現場にも、さまざまな現場の苦労がございます。
「こんな事情があるんだよシリーズ」
では、現場の事情をお伝えし、
職人世界の「難しさや大変さを広く知っていただきたい」を
目的とした内容となっております!
こんな事情があるんだよシリーズ第3弾!
このシリーズも3弾まで来ればもう安心。
きちんとシリーズ化することが確定かと思われます。
ただし、筆者は気まぐれ。
見ていただけている安心感がないと、
夜も7時間くらいしか寝れなくなりますので、
ぜひ継続してご覧頂ければ幸いです。
。。。
さぁ使い古されたボケをかましたところで、今回は、
既存住宅リフォームの際、現場で苦労することになるこちらのテーマ。
既存住宅のズレや歪みについて。

形あるものはいつか壊れる。
こちらも使いまわされるフレーズではありますが、
それなら、
形あるものは徐々に傾いていく
というのも、当たり前っちゃ当たり前。
しかし、こと住宅となると、
水平が保たれていることを疑いもしない感覚を抱いてしまうもの。
何を隠そう、この私(筆者)も、当たり前にそう思っていたのです。
ところが、住宅の全面リフォームの際、
全体をスケルトン解体(床を残して、そのほかは骨組みくらいまでの解体)を行なって、
端から端までをレーザーなんかで見てみると、、、
ほぼ100%の確率で、
どのお家もズレが必ずあるものなのです。
5〜6センチのズレはザラにあり、
ひどいところだと、10センチ以上のズレがあります。
これ、大きいマンションなんかでも同様なんです。
筆者のマンションは、築35歳の、横に広ーい世帯数の多く入るタイプの中古マンションなのですが、
弊社でリノベーションを行なった際も、
端から端まで、6センチのズレがありました。
マンションなので、当然コンクリートですよ??
それなのに、そんなにズレが出ているのです。(マンション全体だと一体どのくらいになるのだろうか、、、想像したくありません。。。汗)
とはいえ、このズレ(5〜6センチ程度のズレ)
体感的にはほぼ感じないのですが(10センチとなると流石に気持ち悪さを感じるくらい)
大工泣かしのズレなのです。
実際に床を作ったり、壁をおこしたりする際には、
通常でも、数ミリの余裕を持たせてカットしたりしています。
それは、きっちりかっちりしてしまうと、
歩くたびにギシギシ鳴る、床なりの原因になったり、
湿気を吸った際に膨張した部材同士が干渉し、
変な反りや浮きを産んでしまう原因になるからなのですが、、、
「通常でも数ミリの余裕を持たせる」この「大工としての配慮」が、
ぜつみょ~に機能しなくなるズレとなり得ます。
だからこそ、レーザーを当てて、水平を保ち、
数ミリの材料の微調整を入れた部材の組み合わせの完成図を思い描きながら、
施工を進める。
大工の腕が問われるところなのです!!
ビミョーーーーーなこのズレを、
見事な腕で解消し、
下地をこしらえるからこそ、
ドアや窓などの、
建具やサッシが、
困ることなくスッと取り付けられるのです。
日本人なら一度は折ったコトのある、
折り鶴。
1個1個折るときの、
小さなズレが、
完成度を低めてしまうもの。
指先で完結する、小さい折り鶴でさえそうなのに、、、
これが、ことリフォームやリノベーションともなると、
ここでは3ミリくらいの余裕を持たせようかな?
ここは多めに5ミリは、、、
ここはかっちり、、、
というような、言葉や規定では表せられない、
感覚的な技能が必要になってくるのです。
リノベーションでは、
大工として培ったその感覚を最大限研ぎ澄ましながら、
現場を進めてもらう必要があるのです。
ほんと、大工さん尊敬です。

新築なら、土台となる基礎からつくるので、
当然、水平が取れていて、
ゆがみなどないのが当たり前なんですけどね。。。
弊社では、そんな現場を強力に前に進める際、
大工としての経験を20年以上持つ、
技術ぴか一の職人が、
今日も辣腕をふるうのです!!
高卒1年目のイケメン見習いを連れて、

今日も辣腕をふるうのです!!
今日は、そんな大工現場からの、こんな事情があるんだよシリーズをお届けいたしました!
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