【造作編②大事件その1】中古マンションリノベーション M様邸
私のキーボードを打つ手も、そろそろ中だるみ、、、。
今回のテーマも、「中だるみ」です、、、。
仕事だろ!しっかりやれ!!と叱られてしまいそうですが、
この「中だるみ」実はお客様に起こってしまう現象なのでございます。
ブログのように文字に起こすとサクサク進んでいるように感じられますが、実は裏では数々の問題が発生するのです。そして、あくまで私の主観ではありますがリノベーションは、
お客様が思っている5~10倍ほど
こまか~い決定事項があります。
(自販機の
あったか~い
みたいに書くと柔らかく見えるかなぁ、、、)
業者として私共で対応できるものは当然私共で進めていくのですが、
おうちの権利者として、お客様自身に確認していただいたり、動いていただく必要があるものも発生します。お客さまの休日が削られていくたび、お客さまの疲労が目に見える様でした。。。汗
まして、マイホームについてのことはだいたい奥様が主導権を握り、
旦那様は奥様ほど、細かいところまでの「こうしたい」という希望はないように感じます。
その結果、「こんなに細かいところまで考えないといけないのか、、、」という現実に直面し、
旦那さまから魔法の言葉が飛び出します。
「もうなんでもいいですよw」
これは今までのリノベーション希望のお客さまほぼすべての方から、中だるみし始めるこの時期に飛び出す言葉です。w
気持ちは痛いほど理解できるだけに、もうすこし頑張りましょう!!と励ましたい気持ちでいっぱいになります、、、。
(↓ちょうどこれくらいの時期です。)
しかし、そんな中だるみ状況をふっとばす程の事実が発覚。。。
給湯器のハイブリッドホースが入れられないマンション構造であったこと
ハイブリッドホースの説明はじめ↓
給湯器からは、激アツ湯のホースと冷水のホースが繋がっています。それを手元の蛇口で適温に調整しなければいけませんよね?ハイブリッドホースとは、給湯器のコンピュータ制御により激アツ湯と冷水を調整された、適温の湯を通す、第3のホースのことでございます。←説明おわり
これが通せない、、、?
どういうことかというと、
お風呂は最新なのに、
「自動お湯張り」と「追い炊き」機能が使えないということ。
キッチンで奥様が給湯器の、おスマートなボタン「自動お湯張り」を
ピッ
と押しても、うんともすんとも言わない
見た目だけ最新のお風呂になってしまうということ。
うん。。。ツラい。
よくよくみると、工事が始まる前のお風呂も(2013年に1度リフォームをしている)
、きれいなお風呂だったにもかかわらず、これがついていました。
これ見えますかね??
蛇口の隣に写っている温度調整ボタン。これ自動お湯張りのボタンがついていたのですが、
この「自動お湯張り」のボタン、、、
押した形跡が無いくらいキレイなんです。
要は、リノベーション後もこういう風にするしかありません。とお伝えしたら、
「それだけは絶対イヤだ」
と、どうしたら第3のホースを通せるかを模索し始めました。しかし結論は一つしかありません。
出入口の外のある、給湯器が格納されるメーターボックスの躯体(コンクリート)部分に、第3のホースを通すための穴を
ドリルで開ける!
という物理攻撃。
これだけです。
しかし、マンションの躯体(コンクリート)部分の所有権は、「マンション共有の所有」ということになっており、お客様の一存で穴をあけることを決めることはできません。
(いかに自分の所有といえども、極端な話コンクリートを全部壊すほどの工事をしたら、マンション全体の構造に悪影響を及ぼすことになるからです)
お客さまはマンションの管理規定を細かく確認し、、、
「4か月に1度開催される組合会で特例申請を通す」
ことしか方法がないことを知ります。そして直近の開催日を待つと、3カ月工事を止めないといけない。。。
困り果てて相談を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
お客さまが確認されたのは、普段エントランスに常駐している管理人さんと、管理会社の担当者様に、電話確認をしたそうです。
私共は、ご相談をいただいた次の日、一応念のため管理組合の理事長さんにお伺いをしてみました。すると、
「規定上はそういう規定になっているが、メーターボックス内に3センチくらいの穴をあけたりする程度なら、
実は黙認してるんだよね。」
とご回答。
お客様に連絡すると、
「仕事終わりに直談判に行きます。」
このスピーディーなお返事から、中だるみ感は一蹴されました。(M様ごめんなさいw)
さぁここからスピード感持って、完成まで一気に向かいますよ!!!!
と、気持ちを新たにしたM様と私共に待ち受ける事態は、
誰も予期しえない事態なのでした。。。
まだ、続きます!!
※マンション管理組合の理事長の黙認の話について※
どこのマンション管理組合でも、同様の結果になるわけではないことを改めて記載しておきます。ただ、個人的な見解を述べさせてもらえるならば、築32年のマンションの管理組合側も、
増加していく空室への入居者誘致や、
空室に伴う管理費の増加問題などの観点から、
入居者の若返りは、もしかしたら課題の一つなのかな?
という印象を抱きました。もちろんマンション全体の構造上の強度に悪影響がでるほどの施工は、当然に「管理組合の特例認定」は必要かと思いますが、
「構造上ほとんど影響が出ない程度で、現代の利便性を確保するための施工」に対しては、寛大な処置を取る管理組合は今後増えていきそうな印象をもちました。
もしこのブログをお読みの方で、同様のケースに遭遇される方の参考にしていただければと考えての情報掲載です。決して当該マンション管理組合様、管理会社様の見解相違に対しての問題想起などの意図等は一切ありません。
皆様のリノベーションの可能性の一助にしていただければ嬉しく思います。
P.S
↓完成後のお風呂です。
写ってはいませんが、浴槽の中に通っているハイブリッドホースが、適温でお湯の量をコントロールし、自動お湯張りと追い炊き機能を可能にします!!
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